スーパーやドラッグストアに行くと、陳列棚には消臭グッズが数多く並んでいます。しかし、同じ棚には芳香剤もいろいろと並べられていますよね。「におい」に関するものとして、消臭剤と芳香剤は同じ種類に考えられがちですが、よく考えると「においを取り除くもの」と「においをつけるもの」ですからこの二つは全く逆の性質をもつものです。消臭剤は、もともとあるにおいを消すことがその目的。その中でもいくつかのタイプがあって、においの原因に働きかけることで臭いそのものをなくしてしまうものもあれば、においの成分を相殺させる成分を配合することで、においを気にならなくさせるものもあります。芳香剤の場合は、嫌なにおいを気にならなくするのは同じですが、別のにおいを漂わせることによって元のにおいをかき消すものですから、実際には元のにおいが消えているわけではありません。花の香りにしても、柑橘系の香りにしても、強い香りで元のにおいをかき消すのは実は簡単で、嫌なにおいを気にならなくするためにはとても効果的。嫌なにおいを確実に気にならなくするというのは芳香剤のメリットですが、逆にデメリットもあります。デメリットのひとつは、元のにおいをかき消すためにある程度強いにおいが必要になるため、人によってはにおいに酔ったように感じること。そもそも、良い香りとはいえあまりにおいが強いのは好きではない、という人には、芳香剤は向きません。もう一つのデメリットは、においの元には何の働きかけもしていないということです。たとえば、雑菌などが繁殖したことが原因でにおいが生じている場合には、殺菌することで衛生的に消臭することが可能です。しかし、殺菌をせずに芳香剤でにおいだけを消してしまったのでは、雑菌がますます繁殖するため衛生的には全くプラスになりません。
生活するうえで、嫌な臭いはなくなるに越したことはないのですが、衛生面を考えればやはりにおいの元から絶つのが望ましいですよね。芳香剤を使えばにおいが気にならないからOKではなく、できるだけにおいを元から絶つ努力をしたうえで、それでも気になるようなら芳香剤を適度に使うのがおすすめです。